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上出優之利
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Masanori Kamide
和枝ちゃん
14歳の時、駆け落ちした事があった。相手はひとつ下の13歳の和枝ちゃん。
メチャメチャ可愛い女の子だった。
キッカケはそんな大した事ではない、彼女の部屋でキスしてた時に、急にお母さんが入ってきて、パニックになってそのまま自転車で二人乗りして逃げてしまったってわけ。
何処へ行っていいかわからないし、お金は50円しか持ってなかった。
ふたりで考えたあげく、彼女のいとこのお姉さんの所へ行く事に決めた。そのお姉さんは大阪市内でナースをしていて病院の寮に住んでいる。
僕らは友だちの初田くんから500円借りて、電車でその寮を訪ねたんだ。
お姉さんは暖かく迎えてくれたよ。だだ、管理人に見つかったらいけないので部屋の押し入れの中に隠れてた。
夕方になると他のナースの人たちが、大挙して僕らを観にきたよ。
中学生のカップルが駆け落ちして来たって話は広まってた。
みんな、ニヤニヤと珍しそうな顔で観てたけど、僕らはこの先どうなるのか、メチャメチャ不安だった。
結局、夜遅くになり、ふたりの両親が迎えに来て、この旅はジエンド。
その時、親が異常に優しかったことを鮮明に覚えてる。
てっきり、しばかれると思ってたから。
50年近くも前の事だけど、ヒトの記憶って凄いね。目を閉じるとあの光景が昨日のことのように映像で浮かんでくる。
甘酸っぱいね。
思い出すと今でも胸がキュンとするよ。
しかし、和枝ちゃん可愛かったなぁ~。
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